ストーリー

STORY

これまでの人生失敗ばかりでした。
でもその失敗から多くのことをつかませて頂きました。

商社勤務時代、27歳の時に任されたプロジェクトが、インドネシアのある島を借り切っての虫のうんち栽培プロジェクト!でした。体調1mm以下の特殊な昆虫から分泌される天然の樹脂が、日本や欧米で薬や食品の光沢材、コーティング剤としての需要があったのです。
インドネシアの島といっても当時は日本から3日かかる場所でエアコンも水道もない未開の地、そこに何か月も滞在して現地の人と一緒になって木に登り、虫を移植し、分泌物(うんち)を集める日々。
仕事が終わっても風呂はないので、何かみたことない虫がいっぱい入っている小さな水桶の水を浴びて寝るだけ。そんなことをインドネシアといったりきたりしながら1年以上続け、努力も少しは実って虫の生産量が増えていったのですが、よしこれでうまくいくぞと思い始めたある朝、いつもの通り早く起きて森に行くと、その努力の結晶の虫たちが全滅していたのです!
驚天動地、何が起こったのか意味不明、体全部の力が抜けていったことを今も覚えています。
あとからわかったのですが、急激な夜の気温低下がおそらく原因で、違う島から持ってきた虫がまだ現地の島の温度などの環境に適応できずそうなったのではないかという結論でした。

プロジェクトのために会社に申請した予算も全部使っていましたから、もう栽培プロジェクトは続けられないこととなり、寂しく撤退となってしまいました。でも、この時に、ある意味私の将来は決まったのかもと思うことがよくあります。当然栽培が成功した際には、日、米、欧の光沢材製造企業に、この分泌物を原料として買ってもらわなければいけませんから、栽培プロジェクトの最中に、既にこれらの企業と商談は開始していました。

その結果、特に日、米の企業にはとても評価をいただき、予行演習かねて、インドネシア以外の産地の原料をまずは購入してくれということで商売も始まっていたのです。残念ながらインドネシアのプロジェクトは終了しましたが、おかげでこれらの企業との取引は続いていきました。

30代になって、その米国の光沢材メーカーをきっかけに米国に出張で何回も行くようになったことで、当時(90年代中盤から2000年ごろまで)既に大市場になっていた米国サプリメント市場を生で、肌で感じることができたのです。これはすごい!ということで、日本の原料メーカーさんにお願いして、米国市場への原料販売を共同で開始しました。

全米を現地の代理店の営業マンと車でまわり、展示会をやり、会社からは金ばっかりかかって売れないじゃないかと叱られながらやり続けましたがまだ売れません、結局一緒にやってた日本の原料メーカーさんの体制が変わり(売れないから担当者の人が外されちゃいました)当プロジェクトから離脱、もちろん売るものがなければどうしようもありませんから、このプロジェクトも結局わずかな売り上げを上げただけで終了となりました。

でもこの期間中に米国の代理店の社長さんから紹介してもらったあるベンチャー企業がありました。元日本の商社に勤務していたスペイン人が、地元スペインで作ったばかりのサプリメント原料商社です。
実はこの企業がその後サプリメント原料製造メーカーとなり、今の弊社の基盤ともいえる地中海原料のメインサプライヤーとなるのです。
このスペイン企業は、私が40歳を超えて独立する時に、一番最初に応援を表明してくれました。当時の社長はなくなられて今はいませんが、その息子が立派に2代目を引き継ぎ会社を成長させています。
今ではお互いになくてはならない良きビジネスパートナーです。
この重要なパートナーが7年前に、世界初の飲む日焼け止めサプリ原料を開発して、弊社が日本の総代理店となりました。

今考えればですが、インドネシアで虫のうんちを集めたのも、全米を代理店と車で回ったのも、全部ここにつながっているなと感じます。
つまりは、失敗を恐れず行動することが成功への王道なんだとあらためて感じます。特に20代、30代の失敗は、貴重な体験としても、今では自分の宝物です。

今年私は57歳になりますが、これからも世界の貴重な原料を必要とされる方々にお届けする仕事をやり続けいたいと思っています。
40歳を超えて独立してからも失敗ばかりでしたが、今こうやって生きているのも、その失敗やたまに成功やの日々の中での皆様との貴重な出会い、そしてその出会いを通じて知ることが出来た貴重な原料や製品のおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます。ウィルファームは意志(Will)を耕す(farm)という思いから生まれました。どれだけ時代が激動しようとも、自らの意志で目的の種を耕し続けることで、自らの人生を開拓できると私は確信しています。

今、目の前では失敗にしか見えないような事例でも、そこには必ず成功の種が隠されている、その種を見つけ出し、その次の成功の種として、意志をもって開拓し続ける、これこそが時代に翻弄されるのではく、時代を自ら創る意志であると考え、私たちはこれからも一歩一歩前に進んで参りたいと思います。
どうぞこれからも何卒宜しくお願い申し上げます。


2022年6月7日
ウィルファーム株式会社
代表取締役 大田 礼文
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